阪神南リーディングテクノロジー
（ＬＴ）

　会社創立時のスローガン、「洗えるものは何でも洗う」は今日まで一貫した社是であり、顧客ニーズをまず徹底聴取した上で一台ずつオーダーメイド生産する方針のもと、コンテナ洗浄機、工業用部品洗浄機、食器洗浄機等、業態に囚われない広範囲なサービス提供により、得意分野に特化したり同一機種のみを継続生産したり、といった傾向の強い洗浄機業界では異色の存在であり続けている。納入先も運輸・物流業界を筆頭に、自動車、機械、電気メーカー、医薬品製造、製缶業、食品業、化粧品メーカー等多岐に渡る。

　2020年のコロナ禍初期段階において市場でマスク不足が生じたことを受け、同年4月、畑違いでありながらマスク製造機を緊急輸入し、国産の高品質素材を100％使用した、「Made in Japan、Made in 尼崎」の不織布マスク生産を開始した。現在は一枚ずつピロー包装し、外出時の携帯に便利な高機能マスクをＥＣサイトで継続販売しており、高い評価を得ている。
　また、洗浄機生産のノウハウを活かし、マスク製造機自体も自社で製作し、需要に応じた販売も可能であり、今後も既存の価値観にとらわれず、モノづくりを通して企業の社会的責任を果たしていく所存としている。

　本業の洗浄機部門では労働人口の減少を見越し、「省人化」を超えた「無人化」での運転を前提とした標準モデルの開発途上にある。
　機械の振動や蓄熱状態を読み取り、適切な修理、交換の時期をＡＩで予想するセンサーの開発及び、同社製洗浄機にオプションとして組み込むことも視野に入れている。
　その他、甲殻類の上皮から抽出するキトサンを原料としたバイオスティミュラントの開発や、目の錯覚を利用し文字が飛び出て見える動力不要の錯視看板など、「地球にやさしく、持続可能な商品」を積極的に開発することで、尼崎発の新たなカルチャー発信に貢献していきたいと話す。