阪神南リーディングテクノロジー
（ＬＴ）

　香川ダイカスト工業所は、創業以来、減速機・ポンプ・モータ・油圧機器・住宅設備・ガス器具等の部品で使用されるアルミダイカスト鋳造を行っている。
　近年、半凝固鋳造法の最新特許技術「ナノキャスト法」を導入、試作・量産を開始。その新技術を活かし開発したオリジナル商品の販売も行う。

　同社では、材料の選定、鋳造の素材納品から加工完成品、組み立て完成品と鋳造から加工・検査まで対応する。３Ｄプリンター・砂型鋳造・アルミ切削などによるモデル試作で検証を行い、製品の確認と金型設計の期間を短縮し、また鋳造で出来上がった製品のトリミング・鋳ばり取りなど製品加工、塗装、メッキなど仕上げの表面加工も一貫して行う。
　同社が東北大学工学研究科との産学連携により実用化した「ナノキャスト法」という特殊なアルミ鋳造方法は、シャーベット状の半凝固状態アルミに変化させ鋳造する方法で、ムラの無い精密な成型が可能となる。同社開発の小型軽量で省エネの半凝固スラリー生成装置は、光学機器、家電製品、精密機器に使われる高精度な部品製造で用いられている

　同社では「ナノキャスト法」を利用した世界初のアルミニウム製風鈴「名月姫風鈴」を初め、ヒートシンクやペーパーナイフなどのオリジナルダイカスト商品を製造販売している。
「rassen ペーパーナイフ」は２０１７年度日本鋳造工学会キャスティングスオブザイヤー賞を受賞した。同社の技術力をアピールするため、今後もオリジナル商品開発を続ける。
　また、従来のダイキャスト製品では不可能とされた、ゴールド・シルバーなど光輝性のあるアルマイト処理が可能な「ナノキャスト技術を使ったダイキャスト製品」という、新技術開発に取り組んでいる。
　代表の香川氏は「これからも、海外をも視野に入れた高品質のダイカスターとしての地位を確立することを目標として、日々努力して行く」と話す。